COURSE OVERVIEW
講座の目的と修了基準
配布文書から検索し根拠付きで答える手順を設計する
対象と前提情報システム・ナレッジ管理・推進担当
03分野相当とファイル権限の基本
成果物と到達基準RAG構成図と回答例
モデル自体の追加学習との違いを説明できる
SECTION 01
1. 解説本文
RAGは、質問に関連する情報を検索して、その情報を回答作成へ渡す構成です。文書を参照させることとモデルの重みを追加学習することは別です。根拠文書を特定できるようにしておくと回答を確認できます。
演習では小さな文書集合で、検索結果と生成結果を別々に見ます。関連文書が見つからない場合、似た文書で埋めず未回答へ進める設計にします。
失敗しやすい点
検索で似た文が出たことを、問いに答える根拠が得られたことと混同しないこと。
SECTION 02
2. 配布資料
以下は研修用の架空ケースです。この内容だけで演習を始められます。
架空資料R1「予約は30日前から」、R2「取消は1時間前までシステム」、R3「来訪者には社員同席」。質問は「来訪者だけで利用できるか」と「休日利用できるか」です。
追加の演習素材
Python教材の実行方法は演習素材フォルダの「使い方.txt」を参照してください。
SECTION 03
3. 実践演習
検索→根拠選択→回答→照合の4工程を図にし、2問に答えてください。
- 最初は模範解答を閉じ、配布資料だけを読んで「確定していること」「分からないこと」を書き分けます。
- 演習課題に対する自分の案を作ります。計算課題は小さな値を手計算し、設計課題は正常時と例外時の流れを描きます。
- 承認されたAI環境がある場合は、下の入力例をそのまま使い、結果を保存します。ない場合も配布資料と例題で判断を練習できます。
- 次の点を重点確認します。「検索で似た文が出たことを、問いに答える根拠が得られたことと混同しないこと。」元資料と照合し、誤り・未確認・改善点を区別します。
- 相互レビュー後に修正し、模範解答と比較します。模範解答と表現が違っても、根拠と条件が一致していれば採用できます。
- 発展演習では、資料の数値・期限・権限・例外のうち一つを意図的に変更し、どの部分の答えが変わるかを予測して再実行します。変更条件は元資料とは別に記録します。
そのまま使える入力例
目的:検索拡張生成の基本設計の演習を行います。
使用資料:
架空資料R1「予約は30日前から」、R2「取消は1時間前までシステム」、R3「来訪者には社員同席」。質問は「来訪者だけで利用できるか」と「休日利用できるか」です。
依頼:検索→根拠選択→回答→照合の4工程を図にし、2問に答えてください。
条件:資料の事実と仮説を区別してください。資料にない数値・規則・実績を事実として追加しないでください。不明な点は未確認とし、確認先または確認方法を示してください。
出力:成果物案、その根拠、未確認事項、採用前の点検項目に分けてください。
評価の重点:モデル自体の追加学習との違いを説明できる。
記入用ワークシート
講座ID:13-02 受講者: 実施日:
1. 今回の目的を一文で:
2. 資料で確定している事実(3点以上):
3. 資料では分からないこと:
4. 自分が最初に考えた回答・設計:
5. 入力した指示と出力、または机上検討の結果:
6. 点検した結果・計算式・根拠箇所:
7. 修正した内容とその理由:
8. 最終成果物:RAG構成図と回答例
9. 残った疑問と確認担当:
10. 作業 分/確認 分/修正 分:
11. 自分の業務で試す範囲と確認日:
到達基準:モデル自体の追加学習との違いを説明できる
SECTION 04
4. 模範解答と理解確認
演習の模範解答・考え方を開く
1問目はR3を根拠に社員同席が必要と回答。2問目は休日条件の資料がないため未確認です。図には検索対象の権限確認、根拠ID、未回答の出口を入れます。参照文書があるだけで無誤りにはなりません。
検索で似た文が出たことを、問いに答える根拠が得られたことと混同しないこと。
表現の一致ではなく、根拠・条件・判断の一致を確認してください。
問1
RAGへ文書を追加すると必ずモデルそのものが再学習されますか。
問1の解答
いいえ。この構成では検索時に参照する資料を増やしています。
問2
この演習の回答を採用する前に、一番注意して確認する点は何ですか。
問2の解答
検索で似た文が出たことを、問いに答える根拠が得られたことと混同しないこと。
問3
本講座の成果物で満たすべき条件を自分の言葉で説明してください。
問3の判定基準
モデル自体の追加学習との違いを説明できる。自分の成果物の該当箇所を示して説明します。
SECTION 05
5. 講師用メモ
時間配分・指導の重点・採点を開く
目的と業務の接点:10分
解説本文と例題:25分
講師実演:15分
演習と修正:45分
相互レビュー:15分
確認問題と振り返り:10分
指導の重点:検索結果を先に見せ、回答生成前に根拠が足りるか判断させる。
開始時の問い:「RAGへ文書を追加すると必ずモデルそのものが再学習されますか。」への仮回答を先に書かせ、最後に理由が変わったか確認します。
実演:配布資料を示す→初稿を作る→「検索で似た文が出たことを、問いに答える根拠が得られたことと混同しないこと。」を点検する→修正する、の順で見せます。
相互レビュー:原資料に戻って説明できるか、未確認を埋めていないか、合格条件を満たすかを確かめます。
固有の到達基準:モデル自体の追加学習との違いを説明できる。
採点:目的適合・根拠確認・安全性・再現性・業務への適用を各0〜4点。合計14点以上、根拠確認と安全性は各3点以上を修了の目安とします。
0=欠落または重大な誤り、1=大幅な支援が必要、2=一部修正が必要、3=自立して満たす、4=例外も検証し説明できる。
未達時:誤った箇所を本人に特定してもらい、資料の一条件を変更した別例で再提出してもらいます。
時間が余る場合:例外条件を追加し、別の受講者が手順を再現する試験を行います。
時間が不足する場合:発展演習を宿題へ回し、原資料との照合と確認問題は省略しません。
操作環境なしで受講した場合:知識・設計の到達と実操作の到達を区別して記録します。
持ち帰り:1週間以内に承認された一業務へ試用。作業・確認・修正時間と誤りを記録し、翌週に振り返ります。