AI研修法人|技術実践トレーニング教材・第2版

メインPCを常時稼働させる
リモートAI開発環境 構築研修

外出先のPC・スマホから Codex と Claude Code を操作する。実際の導入プロセスを初心者向けの5章に再構成した、講師・受講者共通の実践ガイド。

全5章標準12時間Windows+WSL2+tmuxスマホ・別PCでの演習
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研修概要/導入

講座の目的と修了基準

オフィスのWindowsノートPCをAI実行用メインPCとして稼働させ、外出先のノートPC・スマートフォンから画面操作、VS Codeの開発、Codex/Claude Codeへの指示を行う環境を構築します。今回の実際の構築過程で発生した失敗も教材にしました。

オフィスメインPC / Windows 11
VS Code・WSL2・tmux・AI
安全な通信
↔
外出先別のWindows PC / スマホ
操作・編集・確認

先に覚える3つの区別

言葉何をするもの?初心者向けの理解
ChromeリモートデスクトップWindows画面全体を遠隔操作離れたPCの前に座っているのと同じ
VS Code Remote Tunnels別PCのVS CodeからメインPCのファイルとターミナルを操作開発作業を遠隔で行う専用入口
tmux(Ubuntu)CLIの作業画面を保持するVS Codeを閉じてもAIの画面に戻りやすくする
Claude Code Remote Controlスマホから同じClaude Codeセッションに入力画面全体を見せず会話で指示
Codex Remote/Codex CLIWindowsアプリのRemoteとWSLのCLIは別セッションの場合ありファイル共有と会話同期を混同しない

受講対象・実施環境

  • 対象:Windowsのファイル操作とブラウザ利用ができる方。Linux・プログラミング経験は不要。
  • メインPCの例:MSI Modern 15 H C13M(Windows 11)、Ubuntu 22.04(WSL2)、ユーザー aiuser。別機種では項目名が異なります。
  • サービス:Chromeリモートデスクトップ、Tailscale、VS Code Remote Tunnels、Claude Code、Codex、Git。契約・利用料金は導入前に確認します。
  • 配布用教材なので実際の利用者名、APIキー、PIN、メールアドレス、認証URLは載せていません。手元の環境に合わせて読み替えます。

標準12時間・5章の流れ

章テーマ時間実技成果物
01メインPCの常時稼働と安全な電源管理90分スリープ・ふた・充電上限の設定
02スマホ・別PCから遠隔操作できる通信環境120分Chromeリモート+Tailscale
03別PCのVS Codeからプロジェクトを開く150分Remote Tunnel接続+Gitの安全な基礎
04Ubuntu・tmux・Codex・Claude Codeの接続210分4セッション+スマホAI操作
05自動起動・監視・復旧と総合演習150分ログオン起動・Watchdog・運用台帳
5章講義・演習
12時間標準研修時間
3端末メイン/別PC/スマホ
4セッションCodex・Claudeを独立管理

受講者の最終ゴール

CHAPTER 0190分

メインPCを24時間稼働させる

Windowsの電源・ふた・バッテリー・設置場所を整え、遠隔操作の前提を作ります。

開始前に必要なもの
  • WindowsメインPC/ACアダプター
  • Windowsの設定画面が開ける
修了時にできること
  • 電源とスリープを正しく設定
  • バッテリー保護と冷却方法を選ぶ
講義 20分 | 実技 55分 | まとめ 15分

1-1. まずPCの役割を決める

メインPCはオフィスに置いて電源とインターネットを常時接続します。別PC・スマホは「操作端末」で、メインPCの画面とファイルに接続します。メインPCを自宅からオフィスに移しても、Googleのリモート登録やTailscaleの機器識別情報は通常そのまま使えます。

1-2. Windowsの種類と機種を調べる

  1. Windows+Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、winverを入力。Windowsのバージョンを控えます。
  2. Windows+I → 「システム」→「バージョン情報」でHome/Proを確認します。
  3. 機種名を確認する場合はWindows PowerShellで次のコマンドを使います。
メインPC/Windows PowerShell
Get-CimInstance Win32_ComputerSystem | Select-Object Manufacturer, Model
型番に応じてBIOSやメーカーアプリの仕様を調べる。

1-3. 電源接続中のスリープを無効化

  1. Windowsの「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」を開きます。
  2. 「画面、スリープ、休止状態のタイムアウト」を開きます(表示名はWindowsの版で異なります)。
  3. 「電源に接続時:スリープ」をなしにします。画面オフは5分などで構いません。
  4. 「バッテリー駆動中」は安全優先でスリープを有効にしておきます。
設定ACアダプター接続時バッテリー駆動時
画面をオフ5分など5分など
スリープなし10分など(推奨例)
休止状態必要に応じて無効保護を優先

1-4. ふたを閉じたときの動作

  1. Windows+R → powercfg.cpl を入力してEnter。
  2. 左側の「カバーを閉じたときの動作の選択」を開きます。
  3. 「電源に接続」は何もしないにします。バッテリー駆動時はスリープのままで構いません。
  4. 「変更の保存」を押して反映します。
メインPC/Windows 実行ダイアログ
powercfg.cpl
設定画面を開くための文字列。PowerShellでも起動可能。

1-5. メーカーのバッテリー保護設定

  1. MSIの場合、スタートメニューで MSI Center を探して起動します。
  2. 機能セットにある「Battery Master」などのバッテリー管理機能を開きます。
  3. Balanced(バランス)を選択。MSI公式の説明では70%未満で充電開始、80%で充電停止です。
  4. 表示・対応機能は機種により異なるので、見当たらなければメーカーサポートを確認します。
演習|画面ロック・スリープの違いを確認
  1. メインPCで編集中のファイルを保存し、AIに実行中の仕事がないことを確認。
  2. Windows+Lでロック。後で接続するため、ログアウトやシャットダウンはしない。
  3. 画面が消えても、PCの電源・ネットワークが維持されていることを確認する。
合格ライン:ロック、画面オフ、スリープ、サインアウトの違いを説明できる。

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CHAPTER 02120分

スマホと別PCを安全につなぐ

Chromeリモートデスクトップで画面操作を作り、Tailscaleで端末ネットワークを整えます。

開始前に必要なもの
  • Googleアカウント(多要素認証)
  • スマホ・別PC
  • インターネット接続
修了時にできること
  • 別回線からWindows画面を操作
  • Tailscaleの役割を説明
講義 30分 | 実技 70分 | 演習 20分

2-1. 遠隔操作は「画面を見る」と「安全に接続する」に分かれる

ChromeリモートデスクトップはメインPCの画面を遠隔操作するサービスです。Tailscaleは端末同士に安全なプライベートネットワークを作ります。Tailscaleを入れただけではWindows画面は操作できません。 Chromeリモートデスクトップ単体でも別のネットワークから接続できます。

2-2. メインPCにChromeリモートデスクトップを設定

  1. メインPCのChromeで公式の リモートアクセス設定ページ を開きます。
  2. Googleアカウントでログインし、「リモートアクセスの設定」からホストを導入します。拡張機能だけで終わらず、Windows用のホスト導入案内を完了します。
  3. 端末名を AI-MAIN-PC などとし、推測されにくいPINを設定します。PINは教材・メール・チャットで共有しません。
  4. 端末の状態が「オンライン」と表示されたら、スマホまたは別PCから接続します。

2-3. スマホから接続

  1. スマホからGoogle公式のChromeリモートデスクトップアプリ、または対応ブラウザで接続画面を開きます。
  2. ホストと同じGoogleアカウントでサインインします。
  3. AI-MAIN-PC → PIN入力 → Windowsデスクトップを表示します。
  4. スマホのWi-Fiをオフにして、モバイル回線でも接続できるか確認します。

2-4. Tailscaleを3端末で使う

  1. メインPCで Tailscale公式サイト からWindows版を導入してログインします。
  2. Windowsの通知領域のTailscaleアイコンを右クリック →「Preferences」→「Run unattended」を有効にします。
  3. 別PCとスマホにもインストールし、同じtailnetに参加します。
  4. 管理コンソールのMachines一覧で3端末が表示されることを確認します。
演習|別回線からの遠隔操作
  1. メインPCをロックしたまま、別PCからChromeリモートデスクトップで接続する。
  2. スマホはモバイル通信にして同様に接続する。
  3. Tailscaleの機器一覧でメインPCの稼働を確認する。
合格ライン:メインPCの画面が別PCとスマホで表示でき、Tailscaleもオンライン。

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CHAPTER 03150分

別PCのVS CodeからメインPCのファイルを開く

Remote Tunnelsをサービス化し、別PCのVS CodeからメインPC内のプロジェクトへ接続します。

開始前に必要なもの
  • メインPCにVS Code
  • GitHubまたはMicrosoftアカウント
  • 別PCにVS Code
修了時にできること
  • my-pcのTunnel接続を確認
  • CLAUDEdevelopmentとGit管理範囲を理解
講義 35分 | 実技 90分 | 演習 25分

3-1. Remote Tunnelsでできること

別PCのVS Codeから、メインPC上のファイルやターミナルを直接扱えます。メインPCの画面全体を操作するChromeリモートデスクトップとは異なり、開発作業の入り口です。

3-2. メインPC側:Tunnelを作成

  1. メインPCにVS Codeが入っていることを確認し、「Terminal → New Terminal」でWindows PowerShellを開きます。
  2. code tunnel を実行します。初回はGitHubまたはMicrosoftの認証画面が出ます。
  3. GitHubデバイス認証が出たら、表示されたURLに自分でアクセスして画面に示されたコードで認証します。第三者から送られたコードは承認しません。
  4. 成功後に https://vscode.dev/tunnel/<マシン名> が表示されます。
  5. 一度 Ctrl+C で対話型Tunnelを止め、サービスに登録します。
メインPC/Windows PowerShell
code tunnel
一時的にTunnelを起動する。ホスト側で実行。
メインPC/Windows PowerShell
code tunnel service install
バックグラウンドのトンネルサービスを登録。既存のサービスに再実行すると再登録になる場合がある。
メインPC/Windows PowerShell
code tunnel service --help
code tunnel service log
ログが継続出力される場合はCtrl+Cで戻る。

3-3. 別PC側:VS Codeで接続

  1. 別PCに公式VS Codeをインストールして起動します。
  2. 拡張機能でMicrosoft製の「Remote - Tunnels」を導入します(Remote Explorerは付属または個別導入)。
  3. 左側のRemote Explorerを開き、「Sign in to tunnels registered with GitHub」からホストと同じアカウントで認証します。
  4. 一覧からメインPCのトンネル名(例:my-pc)を選択します。
  5. 接続できると左下に my-pc と表示され、Open FolderでメインPCのフォルダを選べます。

3-4. メインのCLAUDEdevelopmentフォルダを開く

作業ルートは例として CLAUDEdevelopment です。メインPCの実際のWindowsパスを選択します。日本語と空白を含むOneDrive配下のパスでは、初期接続時にワークスペース参照エラーが起こったため、開けないときはまず英数字パスのテストフォルダで切り分けます。

メインPC/Windows PowerShell
New-Item -ItemType Directory -Force -Path C:\dev\remote-test
テストフォルダだけ作成。既存案件には触れない。
  1. 別PCのVS Codeで C:\dev\remote-test をOpen Folderから開けるか試します。
  2. 開けたら、実際の CLAUDEdevelopment に戻して開きます。
  3. 制限モード(Restricted Mode)の解除は、自分の管理下にあり信頼できるフォルダだけで行います。
  4. ファイルが見えても、Claude Code/Codexの作業ディレクトリは別途確認します。VS Codeで開いただけではtmux内の作業場所は変わりません。

3-5. Gitとバックアップ

Gitは変更履歴を残す仕組みです。GitHub等への保管は別途設定が必要です。今回のように多案件を保管したルートフォルダ全体を無条件にGit管理せず、案件ごとにリポジトリを分けます。

メインPCの案件フォルダ/Windows PowerShell
git --version
git status
git statusで not a git repository なら、そのフォルダはGit管理されていない。
メインPCの作業ルート/Windows PowerShell
Get-ChildItem -Directory | ForEach-Object {
  [PSCustomObject]@{Project=$_.Name; HasGit=(Test-Path (Join-Path $_.FullName ".git"))}
} | Format-Table -AutoSize
フォルダ単位のGit有無を一覧表示する。
演習|別PCで同じファイルを見られるか
  1. 別PCのVS Code左下にメインPC名が表示されていることを確認。
  2. CLAUDEdevelopment を開き、任意の機密でないテスト用テキストを閲覧する。
  3. 必要ならChromeリモートデスクトップでも同じファイルの存在を確認する。
合格ライン:別PCのVS CodeがローカルではなくメインPC上のファイルを開いていると説明できる。

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CHAPTER 04210分

WSL2・tmux・Codex・Claude Codeを使う

CLIをLinux側に設置し、4つの独立セッションでメインPCのAI環境を管理します。

開始前に必要なもの
  • WSL2導入権限
  • Codex・Claudeの利用資格/承認
  • Ubuntuに通常ユーザーを作成
修了時にできること
  • tmuxで作業を維持・復帰
  • 別PCとスマホからAI操作
講義 50分 | 実技 130分 | 演習 30分

4-1. WindowsとUbuntu、コマンドを打つ場所の違い

画面の先頭環境ここで使うコマンド
PS C:\Users\…>Windows PowerShellwsl・code tunnel・スケジューラ
aiuser@my-pc:~$Ubuntuの通常ユーザーapt・tmux・pwd・cat
root@my-pc:#Ubuntuの管理者初期設定のみ。AIをrootで起動しない
[claude-main] 0:claude*tmuxでClaude Code実行中Claudeへの文章や /remote-control

4-2. WSL2があるか確認し、通常ユーザーを使う

メインPC/Windows PowerShell
wsl --list --verbose
Ubuntu-22.04のVERSIONが2なら導入済み。Debianやdocker-desktopが同時に存在しても問題ありません。
メインPC/管理者Windows PowerShell
wsl --install -d Ubuntu-22.04
未導入の場合のみ。必要に応じて再起動。
メインPC/Windows PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser
aiuserユーザーが作成済みの場合に入る。新規導入時は先にUbuntuの初回ユーザー作成。

研修用にはUbuntuの通常ユーザー名を aiuser とします。既存Ubuntuがrootで立ち上がる場合は、rootで一度だけ次を実行して作成します。すでにユーザーがあれば再実行しません。

Ubuntu/root の場合のみ
adduser aiuser
usermod -aG sudo aiuser
su - aiuser
パスワード入力は非表示。一般ユーザーの作成ができたら以後は通常ユーザーで操作する。

4-3. tmuxとAIツールを準備

Ubuntu/aiuser Bash
sudo apt update
sudo apt install -y tmux git curl ca-certificates
mkdir -p ~/ai-work/{codex,claude,logs,control} ~/bin
tmux -V
受講者のUbuntu側のコマンド。

Codex CLIとClaude Codeのインストール方法は提供元で更新されます。実機では公式ドキュメントを優先して確認します。以下は研修実機で成功したコマンド例です。

Ubuntu/aiuser Bash
curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
必ず公式サイトで提供中のURLであることを確認して実行します。会社のセキュリティルールがあれば事前承認。
Ubuntu/aiuser Bash
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"
type -a codex
type -a claude
codex --version
claude --version
「/home/aiuser/.local/bin/…」が最初の候補ならLinux版が優先。

4-4. tmuxの基本操作

Ubuntu/aiuser Bash
tmux new-session -A -s codex -c ~/ai-work/codex
codexというセッションがあれば接続、なければ作成。

新しいtmux画面で /home/aiuser/.local/bin/codex を起動しChatGPTで認証。Claude側は /home/aiuser/.local/bin/claude を使用します。tmuxから離脱するには Ctrl+B を押して離し、D です。画面を離れるだけでAIは終了しません。

Ubuntu/aiuser Bash
tmux ls
tmux list-panes -a -F '#{session_name}: #{pane_current_command}'
tmuxの存在確認と実行中のコマンド表示。Claudeはinitと表示されることもあるため実行中プロセスを別途確認。

4-5. CLAUDEdevelopment専用の2セッション

この章のゴールは、メインPCの作業ルート CLAUDEdevelopment に直接入った codex-main・claude-main の作成です。Ubuntuの通常ユーザーで、すでにメインルートを開いたWindows PowerShellからWSLを起動した状態を使います。

Ubuntu/aiuser Bash(CLAUDEdevelopmentから起動)
pwd
basename "$PWD"
末尾がCLAUDEdevelopmentであることを目視確認。違えばフォルダを変更してから進む。
Ubuntu/aiuser Bash
test -e "$HOME/ai-work/main" || ln -s "$PWD" "$HOME/ai-work/main"
readlink -f "$HOME/ai-work/main"
既存のリンクを上書きしない。正しい作業ルートを指していることを確認。
Ubuntu/aiuser Bash
tmux new-session -A -s claude-main -c "$HOME/ai-work/main"
# 作成したtmuxの中で /home/aiuser/.local/bin/claude を実行
2行目は説明文。tmux画面が開いたらAIコマンドを手入力。
Ubuntu/aiuser Bash
tmux new-session -A -s codex-main -c "$HOME/ai-work/main"
# 作成したtmuxの中で /home/aiuser/.local/bin/codex を実行
codex-mainも同じフォルダを指す。既存のclaude-mainからCtrl+B→Dで離れてから。

4-6. 別PCから毎日使うコマンド

別PCのVS Code → Tunnel: my-pc のWindows PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux attach -t codex-main
メインPCで稼働するcodex-mainに再接続。
別PCのVS Code → Tunnel: my-pc のWindows PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux attach -t claude-main
同様にclaude-mainに再接続。

4-7. スマホからAIに直接指示する

  1. Claude CodeのCLI入力欄で /remote-control を入力し「Enable Remote Control」を選択します。
  2. スマホのClaudeアプリの「Code」から、そのLinux側セッションを選択します。Windows版セッションと混同しないでください。
  3. ClaudeのPro/Max等の対象サブスクリプションでログインします。API従量課金だけではRemote Controlを利用できません。
  4. スマホから「OS・ユーザー・作業フォルダを報告。ファイルは変更しない」と指示して応答を確認します。
  5. Codex Remoteは、Windows CodexアプリのRemoteとUbuntu上のCodex CLIが必ずしも同じ会話を共有するわけではないと説明します。
演習|別PCからAIを2つ切り替える
  1. 別PCのVS CodeでメインPCのTunnelへ接続、CLAUDEdevelopmentを開く。
  2. 新しいWindows PowerShellから codex-main に接続する。
  3. Ctrl+B → Dで離れ、claude-main に接続する。
  4. スマホのClaudeアプリからUbuntu版Claudeへ確認指示を送る。
合格ライン:2つともメインPC上で動作し、別PC・スマホからの入出力を確認できる。

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CHAPTER 05150分

自動起動・監視・復旧・総合演習

作成した仕組みを安全に運用し、障害時に原因を切り分けられるようにします。

開始前に必要なもの
  • 前章までの接続環境
  • Windowsタスクスケジューラ操作権限
修了時にできること
  • ログオン時起動と5分監視
  • 運用リスク・トラブルを説明
講義 35分 | 実技 85分 | 総合演習 30分

5-1. 自動化は「起動」「監視」「復旧」の3つ

実際の構築では AI-MAIN-PC-WSL-Startup(ログオン時)と AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog(5分ごと)を設定しました。Linux側スクリプトがtmuxセッションを管理し、プロセス状態をログに記録します。

Windowsにサインイン → タスクスケジューラ → Ubuntu/tmux → Codex・Claudeを確認 → 5分後に監視

5-2. 既存タスクを確認する(新規受講者は次項を使用)

メインPC/Windows PowerShell
Get-ScheduledTask -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-*"
Get-ScheduledTaskInfo -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-Startup"
Get-ScheduledTaskInfo -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog"
同名の登録がある場合は再登録しない。LastTaskResult=0は直近実行成功。

新規環境では、まずLinux側で起動スクリプトを用意します。講義では事前配布テンプレートを講師が提供し、内容を確認してから配置します。この教材のサンプルは実演用です。 重要情報を保有するPCではIT管理者がレビューしてください。

5-3. 研修用:4セッションを管理するスクリプト

コードを短く保つため、OS側の自動起動は tmuxの作成までに留め、起動中のAIが消えたときは履歴とログを確認して手動復帰する安全な基本版を学びます。発展としてAIの自動起動も行えますが、利用上限・承認待ち・意図的な終了との区別が難しいため、無制限な再試行は禁止します。

Ubuntu/aiuser Bash
mkdir -p ~/bin ~/ai-work/{codex,claude,logs,control}
cat > ~/bin/start-ai-sessions.sh <<'EOF'
#!/usr/bin/env bash
set -euo pipefail
BASE="$HOME/ai-work"
for name in codex claude; do
  if ! tmux has-session -t "=${name}" 2>/dev/null; then
    tmux new-session -d -s "$name" -c "$BASE/$name"
  fi
done
for name in codex claude; do
  session="${name}-main"
  if [ -d "$BASE/main" ] && ! tmux has-session -t "=${session}" 2>/dev/null; then
    tmux new-session -d -s "$session" -c "$BASE/main"
  fi
done
tmux list-sessions
EOF
chmod 700 ~/bin/start-ai-sessions.sh
bash -n ~/bin/start-ai-sessions.sh
研修用の基本版:4つのtmuxセッションを再生成。AIコマンドはまだ実行しない。

5-4. Windowsのタスクを登録する(新規環境のみ)

すでにタスクが存在する環境では、この登録作業を飛ばしてください。受講者向け演習PCに新規設定する場合はWindowsのPowerShellから実行します。

メインPC/Windows PowerShell
$taskName = "AI-MAIN-PC-WSL-Startup"
$action = New-ScheduledTaskAction -Execute "wsl.exe" -Argument '-d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- bash /home/aiuser/bin/start-ai-sessions.sh'
$trigger = New-ScheduledTaskTrigger -AtLogOn -User "$env:USERDOMAIN\$env:USERNAME"
$trigger.Delay = "PT30S"
$settings = New-ScheduledTaskSettingsSet -StartWhenAvailable -ExecutionTimeLimit (New-TimeSpan -Minutes 3)
Register-ScheduledTask -TaskName $taskName -Action $action -Trigger $trigger -Settings $settings
ログオン30秒後にtmuxを準備。すでに同名タスクがあれば停止して講師に確認。
メインPC/Windows PowerShell
$taskName = "AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog"
$action = New-ScheduledTaskAction -Execute "wsl.exe" -Argument '-d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- bash /home/aiuser/bin/start-ai-sessions.sh'
$trigger = New-ScheduledTaskTrigger -Once -At (Get-Date).AddMinutes(1) -RepetitionInterval (New-TimeSpan -Minutes 5) -RepetitionDuration (New-TimeSpan -Days 3650)
$settings = New-ScheduledTaskSettingsSet -StartWhenAvailable -ExecutionTimeLimit (New-TimeSpan -Minutes 2) -MultipleInstances IgnoreNew
Register-ScheduledTask -TaskName $taskName -Action $action -Trigger $trigger -Settings $settings
5分ごとにtmuxの有無を確認して作成。Windowsログオンの実行条件に注意。

5-5. バッテリー駆動中も監視を止めない

メインPC/Windows PowerShell
$task = Get-ScheduledTask -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog"
$task.Settings.DisallowStartIfOnBatteries = $false
$task.Settings.StopIfGoingOnBatteries = $false
Set-ScheduledTask -InputObject $task
ノートPCがACからバッテリーへ切り替わってもタスクを停止しない。Windowsスリープそのものは別。

5-6. 動作確認とログの読み方

メインPC/Windows PowerShell
Start-ScheduledTask -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog"
Start-Sleep -Seconds 5
Get-ScheduledTaskInfo -TaskName "AI-MAIN-PC-WSL-Watchdog"
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux ls
TaskResult=0、4つのtmuxセッション表示が目標。

tmuxが表示されても、AI本体が動いているとは限りません。セッションの実行状態は次で確認します。

メインPC/Windows PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux list-panes -a -F '#{session_name}: #{pane_current_command}'
bashなら待機、codex/claudeならAI起動中の目安。initの場合は画面かpsで確認。

5-7. オフィス移設時の運用設計

状態優先する対応
Windowsは稼働・ロック中スマホ/別PCから接続可能。ログアウトとは異なる
Windows再起動後サインイン後にタスクが実行。tmux・AI画面を確認
PCが完全に電源OFFTailscaleやRemote Tunnelでは電源投入できない。現地対応や対応BIOS、遠隔電源製品を別途検討
停電でONU/ルーターが停止ネットワーク復旧まで外部から接続不可。必要ならUPS
Codexの利用上限モデル・プラン・再開可能時刻を確認。自動で無限再試行しない
WindowsサインアウトInteractive方式のタスクは原則実行できない。常設時はロック運用
演習|総合演習:別PC・スマホからメインPCを操作
  1. メインPCを電源につなぎ、Windowsにサインインした状態でロックする。
  2. 別PCのVS Codeからmy-pcのTunnelに接続し、CLAUDEdevelopmentを開く。
  3. PowerShellで wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux attach -t codex-main を実行。
  4. Ctrl+B → Dで離れ、claude-main に接続する。
  5. スマホのClaude Code Remote Controlで安全な確認指示を出す。
  6. 監視タスク・ログで正常稼働を確認し、作業内容を記録する。
合格ライン:Windowsファイル操作、AI入力、切断・再接続、監視結果の説明までできる。

修了前のチェック

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巻末 A|実際に起きた問題から学ぶ

トラブルシューティング早見表

画面に出たエラーメッセージを最初に読み、原因を「PC・通信・認証・フォルダ・Linux・AI」に分類します。

画面に出た症状原因候補まずすること
Windowsで claude が見つからないRemote Tunnel側のPowerShell PATHにCLIがないLinux版を使用。wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser からtype -a claudeで確認
not a git repositoryフォルダに.gitがない異常ではない。案件単位でGit管理するか判断
no sessionsWSL再起動でtmuxが消失/ユーザー違いwhoami確認→起動スクリプトを実行
claude: initWindows版exeのラッパー経由で起動している可能性type -a claudeでLinux版を確認し、安全にtmuxを作り直す
node: not foundUbuntuでWindows版npmのコマンドを誤実行/home/aiuser/.local/bin/codex等Linux版を明示
.bashrc syntax error near (PATHを引用符なしで書き込んだバックアップ→問題のある行を修正→bash -n ~/.bashrc
Workspace does not exist誤パス/日本語やOneDriveの参照問題/古いワークスペースC:\dev\remote-test を試し、実フォルダを選び直す
VS Code gateway not runningRemote Tunnelホストサービス停止メインPCでcode tunnel service logを確認。必要時再登録
WebSocket 1006接続切断・サービス停止・通信制限ブラウザ版でも失敗するか切り分ける
Remote Control requires subscriptionAPI課金のみ/Claudeの対象アカウント未ログイン/loginでclaude.aiの対象サブスクリプション認証
scope parameter missingOAuth URLが途中で欠けたコードやURLを共有せず、CLIで新しいURLを完全コピー
LastTaskResult 3221225786Windows側の処理中断など即断せずログとタスク条件確認。ログオン遅延を検討
AI利用上限契約プランや使用枠待つ/プランと制限を確認。無制限自動再試行しない

トラブルが起きたときの優先順

  1. メインPCの電源・ネットワークが生きているか。
  2. ChromeリモートデスクトップでWindows画面に入れるか。
  3. Tailscale・VS Code Tunnelの接続が正常か。
  4. Ubuntuに入れるか(wsl --list --verbose)。
  5. tmuxが存在するか。
  6. AI本体・認証・作業フォルダを確認する。
巻末 B|使う人向け

毎日の操作・コマンド早見表

外出先の別PCで、Remote Tunnel の my-pc に接続した状態で使います。以下はすべてメインPC側のWindows PowerShellから実行するコマンドです。

別PCのVS Code内/メインPC側PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux attach -t codex-main
同じCLAUDEdevelopmentでCodexを開く
別PCのVS Code内/メインPC側PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux attach -t claude-main
同じCLAUDEdevelopmentでClaude Codeを開く
別PCのVS Code内/メインPC側PowerShell
wsl -d Ubuntu-22.04 -u aiuser -- tmux ls
4つのtmuxセッションを一覧

終了ではなく離脱は Ctrl+B → D。AIが処理中なら、この操作でtmux画面を切り離します。Windows再起動・WSL停止時は処理が止まります。

初期設定後の運用メモ

困ったことまず開く
画面全体を遠隔操作したいChromeリモートデスクトップ
別PCでファイルを編集したいVS Code Remote Tunnels(my-pc)
スマホからClaudeへ指示したいClaudeアプリ「Code」→Remote Control
スマホからCodexへ指示したいChatGPT/Codex Remote(WSL CLIと同一履歴とは限らない)
tmuxの状況を確認Ubuntu tmux ls
再起動後に復旧できないWindows PowerShellのGet-ScheduledTaskInfo、Ubuntuのログ
巻末 C|学習評価

理解度チェック(全10問)

自分で答えを考えてから開いてください。講師は8問以上を理解度の目安にできます。

Q1. 電源接続中に画面だけオフにしてもAI処理は続く?

解答:Windowsがスリープ・休止・シャットダウンしていなければ原則継続します。

Q2. Tailscaleを導入するだけでWindows画面を見られる?

解答:いいえ。ChromeリモートデスクトップやRDPなど別の遠隔操作ツールが必要です。

Q3. ChromeリモートとVS Code Remote Tunnelsの違いは?

解答:Chromeリモートは画面全体、Tunnelsは主にVS Codeのファイル・ターミナルを遠隔利用するものです。

Q4. PS C:\...> と aiuser@my-pc:~$ の違いは?

解答:前者はWindows PowerShell、後者はUbuntuのBashです。

Q5. tmuxを終了せず画面を離れるには?

解答:Ctrl+B → D(順番に押す)。

Q6. VS Codeでフォルダを開くだけで既存tmuxのAIの作業ディレクトリは変わる?

解答:変わりません。別途起動フォルダを指定する必要があります。

Q7. Windows再起動中にAIが実行していた処理はそのまま続く?

解答:いいえ。Windows再起動はWSL/tmux/CLIの実行プロセスを停止します。再作成は可能でも実行中タスクの自動継続は別設計です。

Q8. Claude Remote Controlを利用するには?

解答:対象Claudeサブスクリプションで認証し、稼働中のClaude Codeセッションで有効化します。

Q9. Gitがあるなら外部バックアップも完了?

解答:いいえ。Git履歴のローカル保存と別拠点へのバックアップ・リモート保管は別です。

Q10. 停電でルーターだけ止まった場合は?

解答:PCが動いていてもインターネット接続できないので遠隔操作できません。ONU・ルーターへのUPSも検討します。

講師用の評価ルーブリック

評価項目未達到達発展
接続の理解画面操作とTunnelsを混同ツールを使い分けられる接続断を切り分けられる
PC操作PowerShellとUbuntuの区別が難しい適切な場所でコマンドを実行PATHエラーを自力で調べられる
AIセッションtmuxで戻れないcodex-main/claude-mainを切替自動起動と会話継続の限界を説明
安全性キー等を不用意に共有認証・顧客情報を保護機密データ運用設計を提案
巻末 D|公式資料と講師メモ

公式参照・安全な配布の注意

下記は教材作成時点で確認した公式案内です。画面の項目名・サービスの条件は変更される場合があります。導入当日は参照先と料金体系を再確認してください。

講師用:進め方のコツ

  1. 最初にホストPCと操作端末を見分ける。1操作ごとに「どのPC/どのターミナル」と宣言する。
  2. エラーを誤操作として叱らず、「どの層で起きたか」へ分解して原因の読み方を教える。
  3. 長い複数行のコードは事前配布ファイルで渡す。ターミナルへ貼り付ける場合、必ず構文チェックを挟む。
  4. 最終演習は仕事データを触らず、テストファイル・読み取り専用の確認指示から始める。
  5. 受講前に利用許諾・会社の端末管理・利用予定のAIプランを確認する。